医療関係者の方へ

心不全に関するご質問・ご相談先

10月から始動する「前橋・高崎・太田医療圏における心不全の早期診断プロジェクト」に際して、かかりつけ医の先生方向けに心不全に関するご質問・お問い合わせにお答えさせていただく窓口「ハートメール」を開設させていただくことになりました。9月開設いたしました、群馬大学医学部附属病院 脳卒中・心臓病等総合支援センターとの共同事業になります。
先生方の日常診療の中では、心不全に関連する診断や治療方針に迷う症例や、紹介すべきか迷うような症例が多数あるかと思います。そのようなご相談を中心としまして、気になることがありましたら、是非お気軽にお使いいただきますようお願い申し上げます。なお、原則メールでの対応になりますので、緊急性のある相談には対応できかねますことを、予めご了承ください。

日時: 令和6年11月16日(土) 14:00~17:00(13:45集合)
場所: 群馬大学医学部附属病院 2階 生理検査室
定員: 先着16名(完全事前予約制)
参加費: 無料

講師: 黒沢 幸嗣 先生(前橋赤十字病院 臨床検査科・超音波診療センター)

セミナー内容:
本セミナーでは、心エコーや肺エコーを中心に、救急外来や病棟で実践的に使用できるPOCUS(Point of Care Ultrasound: ポーカス)を学びます。短いレクチャーの後、多くのハンズオン実習を通じて、実際の診療に役立つスキルを習得できる貴重な機会です。
特に、今回は心エコーと肺エコーに焦点を当てた内容となっています。男性の参加者の中から被験者になっていただく場合があります。

対象:
研修医、医学生、検査技師学生など、POCUSに興味がある方。

申し込み方法:
以下のフォームにアクセスし、必要情報を入力してください。
※受付締め切りは11月9日です。

主催:
群馬大学医学部附属病院 循環器内科
脳卒中・心臓病等総合支援センター

群馬心不全連携協議会メディカルスタッフ部会主催(群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター(ぐんまのうしん)も共催です!)で、心不全療養指導士の資格取得を目指している方や、心不全に興味のある医療関係者の方々に向けて、勉強会を行います!群馬県の心不全医療発展のために頑張りましょう!多数のご参加をお待ちしております。

9月25日、前橋市で「運動負荷試験を使った心不全の早期診断事業」の報告会が開かれました。この事業は、前橋市医師会、群馬大学の息切れ外来、そして心臓血管センターの息切れ外来が連携して、心不全を早期に診断することを目指すものです。運動負荷心エコーを使って心不全を早期発見する全国初の取り組みであり、今回は1年間のプロジェクト終了報告です。

この事業は、群馬県が策定した「第2期群馬県循環器病対策推進計画(第2期ぐんま循環器病対策シームレス・プロジェクト)」でも大きく取り上げられており、県内での医療の発展が期待されています。

今後、この事業をさらに発展させ、「前橋・高崎・太田医療圏における心不全の早期診断プロジェクト」を進めていきます。10月7日にキックオフミーティングが行われる予定です。

また、この事業は群馬大学脳卒中・心臓病等総合支援センターの重要な取り組みの一つであり、群馬県とも協力しながら、徐々に県内全域に広めていく計画です。

  • 日時: 2025年1月17日(金)19:00~20:00
  • 会場: 群馬大学医学部 & オンライン(ハイブリッド形式)

※栁川先生が監修なさっている、Youtube「自分らしく「生きる」ために~ACPってなに?~」ぜひご覧ください。

主催者よりご挨拶

ACP(advance care planning)については、私も含めてなんとなく知ったつもりになっているのですが、現場でお話をすると、DNARと混同していたり、DNARをとることがACPと思っていたりする風潮があるような印象を持っています。また、ACPは「がん」分野でのお話で、循環器疾患では関係ないと思われる方もいらっしゃいます。

ACPは、超高齢社会の循環器疾患を見るうえで、非常に重要です。今回、名古屋大学の栁川まどか先生にお願いして、「今さら聞けないACPのいろは」という演題名で、非常にわかりやすいご講演をいただきます。
栁川先生は、⼀般社団法⼈ ⽇本⽼年医学会 倫理委員会「エンドオブライフに関する⼩委員会」委員でもあり、日本老年医学会 「ACP推進 に関する提言」作成にも携わっておられます。テレビ局のディレクターであった経験も生かしたご講演は、多くの病院でご専門の老年医学・ACPについての話題を中心に数多くこなされており、大変好評です。

担当:石井
|センター長|

◆ お申込み方法など詳細は後日お知らせいたします。

群馬県循環器病対策推進計画を推進するにあたり、地域連携クリニカルパスを通じた急性心筋梗塞をはじめとした急性冠症候群(ACS)、慢性冠症候群(CCS)に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の治療・医療体制に係る医療の質の向上を図ることを目的としたACS-CCSクリニカルパス案を作成しました。こちらの普及啓発活動は群馬大学脳卒中心臓病等総合支援センターの大きな活動尾の一つです。群馬県の協力も得まして、このツールを使用した地域連携クリニカルパスの医学的メンテナンス及び更なる普及を試み、地域連携の構築を目指して参ります。
パス用紙の運用は、以下を想定しております。
・実際の運用フローチャート、数値目標が1ページ目にあります。先生方のご確認などにご活用ください。
・患者さんにお渡しいただき、先生方に御記載をお願いするものは、2-4ページ目となります(3ページ目はPCI後1年以上経過した方にお渡しすることを想定しております)。
・5,6ページには既にパスを運用している他県から伺いました患者さんからのFAQをまとめてあります。
今後、エビデンスの蓄積やガイドラインの変更があった場合には、診療の目標値の変更も行っていきます。
尚、PPT(他県はPDFがほとんどです)で作成してあります。大枠が変更なければ、各病院・地域で使用しやすい形にご変更の上、ご使用いただいても構いません。

|様式ダウンロード|群馬県ACS – CCS地域医療連携パス

Downloads

群馬大学脳神経外科、循環器内科、循環器外科では、救急科と協力しながら「G-Space」システムを用いた病院間オンライン診療協力をすすめています。
本県では、救急医療・脳卒中・心臓病専門医がいない、あるいは限られた人数しかいない地域があります。脳卒中・心筋梗塞・解離性大動脈瘤など循環器系疾患では、緊急の処置が必要かどうか判断に迷うことがありますが、専門医が心電図や画像を確認することでその判断の手助けになることがあります。医師不足でもある本県において、専門医がいない地域であっても診断・診療の手助けを行えるシステムを行っています。本事業は、特に脳血管障害、心臓病、解離性大動脈瘤を想定しておりますが、急性腹症や外傷などの診療協力にも利用できます。

1.本事業の背景

2022年における群馬県の死因別死亡者数は、「脳卒中を含めた循環器系疾患」による死亡者は「がん」を大幅に超えている状況です。「がん」と比較して「循環器系疾患」による死亡者数の増加が顕著である傾向は年々強まっております。特に、群馬県では山間部など高齢化率が非常に高く、循環器系疾患が多く発生します。

群馬県での問題点として、脳卒中・心筋梗塞・解離性大動脈瘤などの循環器系疾患を専門とする人口当たりの医師数が、全国を大きく下回っていることが挙げられます。加えて、これらの疾患に関わる医師の高齢化も深刻です。医師不足は、県と協力して様々な対策を立てておりますが、一朝一夕で解決するものでもありません。また、本県において高齢化率が高い地域では循環器に携わる専門医が少ない状況が深刻ですが、逆に言えば専門医の必要性が高いとも言えます。

2.本事業の目的・概要

本事業は、専門医がいない地域での診療支援、救急患者の適正な搬送・転送を大きな目的としております。

脳卒中・循環器疾患は専門医による画像診断、心不全・急性冠症候群などでは血液・生化学的データの分析が極めて重要です。国内の多くの地域において、救急病院では当直体制を何とか維持しながら運営を行っております。ほとんどの医師は専門分野を持っておりますが、救急患者では幅広い疾患の診療が必要となるため、症状に応じて専門医を呼び出して診察を行うといったことをやってきました。しかしながら、2024年春からの「医師の働き方改革」によって、更に医師の勤務時間が厳しく制限されたことにより、専門医が夜間・休日に診察を行えない事態が多く発生しております。また、そもそも地域に専門医がいないということも群馬県ならではの事情としてあります。

これらの事情を踏まえて、ICT(情報通信)技術を用いて専門医が在籍する本院などと地域の病院を接続することにより、診断と治療のレベルアップを目指すのが「G-Spaceシステムです。

診察に必要な検査・画像などについては地域の病院において施行し、その結果をG-Spaceを用いて本院や本システムが導入されている地域の中核病院の専門医と情報共有し、診断や治療の役に立てていただくものです。

群馬大学と県内一部の中核病院では、新型コロナウイルスパンデミックの中で、様々な病院の診断機能の向上を目的として、本学が運営する「G-Space」というICTシステムを活用し、入院医療受け入れ医療機関をつなぐカンファレンスシステムを実用化し、各病院のICUをつなぐ事業などを実施してきました。

本技術については、群馬大学医学部附属病院と藤岡市国民健康保険鬼石病院、並びに独立行政法人地域医療機能推進機構群馬中央病院とをつなぐ実証実験を行いながら、検証してきました。2024年5月22日上毛新聞紙面でも紹介いただいたように、西吾妻福祉病院などでも本システムを導入しました。吾妻地域は、高齢化率が高いことに加え、国内でも有数の温泉やスキー場があり、急病人の発生も多々あります。また、地域を守る病院や医師の数が限られていることもあり、本システムによる診断や治療成績の向上が期待されます。

くも膜下出血、急性心筋梗塞、解離性大動脈瘤などでは、手術やカテーテルの準備まで時間がかかります。地方の病院において、このような患者さんが発生した場合には、高度な処置のため専門医がいる病院に搬送します。予め画像やカルテ共有などにより患者情報が明らかであれば、転送先である群馬大学や地域の中核病院への到着前に、手術などの準備が可能です。処置までの時間が大幅に短縮することが可能となり、治療成績の向上に大きな役割を果たすと考えられます。

群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センターが中心となって、ICTを用いた県内病院間オンライン診療協力により、脳卒中・心臓病に対する取り組みを更に強化し、本県の健康寿命延伸を目指します。

本システムは、将来的には山間部診療所などのオンライン専門外来にも応用を考えております。

※「G-Space(ジースペース)」システム……

Webカンファレンスシステム。電子カルテ・医用画像をセキュリティが確保されている状態で表示できます(個人の端末と異なり、セキュリティが確保され、患者さんの個人情報が守られるというところが大きな特徴です)。Web上で、個々の患者の電子カルテの映像を共有しながら意見交換し、その検討内容を共有可能です。