NHK総合の人気番組「トリセツショー」(群馬大学循環器内科取材協力)に続いてのコラムです。

群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター

コラム

石井
センター長

NHK総合の人気番組「トリセツショー」(群馬大学循環器内科取材協力)に続いてのコラムです。

5月15日NHKトリセツショーで、心不全の話題でした。群大循環器内科、本センターメンバ―小保方先生から「いつの間にか心臓が筋トレマッチョ状態で硬くなる“カチカチ心不全”とは?」の中で、運動負荷試験を使用した取り組みとBNPが早期発見に有用であることを説明してもらいました。

 同意番組内では小保方先生に加えて、藤田医科大学循環器内科主任教授 井澤英夫先生と、群馬県立心臓血管センター顧問 安達 仁先生からも運動の重要性のお話があり、歩くことの重要性のお話がありました。

 井澤先生も院内で8000歩程度の歩数があるといわれていましたが、この「8000歩」というところが大事な数字です。アメリカの著名な医学雑誌であるJAMAに報告された40歳以上(平均年齢56.8歳)の男女4840名を10年調査した研究では、一日8000歩を歩く人の死亡率は4000歩の人の約半分ということが報告されました。図のように、一日の歩数が多いほど死亡率は低い傾向にあるのですが(但し、女性では12000歩以上で少し死亡率が高くなっていますね)、8000歩までの死亡率低下効果が大きいことがわかります。お仕事、様々な事情で運動もできない方も多いかと思います。そんな中で、8000歩というのは効果的に体にいいことをしてくれるということがお分かりいただけるかと思います(文献:JAMA 2020 323:1151-1160より)