2026年を迎えました―ぐんまのうしん新春のご挨拶―
群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター

2026年ご挨拶
2026年を迎えました
―ぐんまのうしん新春のご挨拶―
センター長 石井秀樹
2026年(令和8年)を迎えました。今年は午(うま)年です。群馬県のキャラクターぐんまちゃんの活躍も期待されます。
馬の心臓は非常に大きいことが知られており、心臓の重量比は約1%、つまり500㎏程度の体重のある馬では心臓の重さが5㎏ほどあるそうです。1分間の心拍数は、安静時に30-40回、運動時には200回を超えるとのこと。首が長く、血圧も高くないと頭に血流がいかないのですから、かなり丈夫な心臓を持っていないといけないようです。
先ほど話題にしたぐんまちゃんは、永遠の7歳。馬の年齢は20ー30歳くらいと言われています。ダンスなどキレッキレの姿をよく見ますが、ぐんまちゃんは人間にすると間もなく30歳くらいになるところでしょうか。我々は歳を取らないわけにはいきませんが、血管を大事にして、脳卒中や心臓病に気を付けながら健康寿命を延ばしたいものです。
ぐんまのうしんのメンバーは、本年も県民の皆様に脳卒中・心臓病に対しての関心を持っていただき、予防などを通じて健康寿命の延伸に資する活動を行ってまいります。本年も何卒よろしくお願いいたします。
さて、のうしん君がスキーをやっている姿は、動画「冬に増える心臓疾患──動画で知る“冬の過ごし方”のポイント」でご覧いただけますが、なかなかのものです。今回、ぐんまのうしん君は、赤城にある茶ノ木畑山に行ってスキーをやってきたそうですが、その際に皆さんに新年のご挨拶の写真を撮影してきました。ぐんまのうしん君から「今年も皆さんにとって素晴らしい年になりますよう!」とのことでした。命の延伸に資する事業を行ってまいりますので、本年も何卒よろしくお願いいたします。
本年は巳年(みどし・へびどし)です。「へび」は爬虫類ですが、人間とは心臓の構造が違い、心臓の部屋が3つ(2心房1心室)しかありません(我々は2心房2心室)。このことは小中学校の理科で習ったことを覚えている方がいらっしゃるかもしれません。でも、「へび」などの爬虫類は心筋梗塞になりにくいことをご存じの方は少ないかもしれません。
我々の心臓は、冠動脈を通じて心筋に酸素や栄養が運ばれます。冠動脈は心臓の外側から、内側にある心筋に向かって走行しています。その冠動脈が詰まると、心筋に血液が血液が送れなくなるため酸素欠乏になり心筋梗塞という病気を発症し、生命にかかわる事態となります。一方、「へび」などの爬虫類にも冠動脈はあるといわれておりますが、心筋を栄養するほとんどの血液は心室から直接心筋に染み入っています。ですから仮に冠動脈が細くなったり詰まって血液が途絶えても、心筋梗塞になる危険性が相当低いそうです。残念ながら?我々の心臓では、心室と筋肉の間には心内膜があって、心室と心筋には交通がなく冠動脈に依存しております。
実は、へびやワニのこのような心臓の特徴をまねして、20年ほど前には左心室からレーザーで穴をあけて左室から心筋に血液が染み入るようにするという研究が行われましたが、すぐに穴がふさがってしまうので、うまくはいきませんでした。でも、他の動物からこのようなアイディアを得て人間に応用できることがこれからも多くあるかもしれません。心筋梗塞の治療をしている私からは興味深い事実です。
2025年は、昭和で言うと100年です。脳卒中・心臓病に対する治療と予防に対して、先人の方々が取り組まれてきたことを振り返り、新たな挑戦を行っていきたいと思います。引き続きご指導をよろしくお願いいたします。
