第89回日本循環器学会参加報告

―群馬県の心不全診療に更に力を注ぎます!―

群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター

薬剤師からのひとこと

石井
センター長

脳卒中や心臓病を予防することに対して、生活習慣に注意することは皆さんご承知おきのことと思います。そして、もしそのような病気になってしまった場合には、再発しないようにすることがとても大事です。原因になっていること(例えば高血圧や糖尿病、脂質異常症など)に対してもより厳しく対応し、お薬をしっかりと服用することも大事です。

 本ホームページでも「心不全パンデミック」の話題をさせていただいておりますが、ぐんまのうしんの柴﨑薬剤師より、心不全に対するお薬のお話を6回シリーズでお届けします。この機会に、心不全に対するお薬の理解を深めていただけると幸甚です。

担当:柴﨑

群馬大学医学部附属病院 
薬剤師 柴﨑 由実(日本循環器学会認定心不全療養指導士)

2025年3月28日~30日に横浜で開催された第89回日本循環器学会学術集会に参加してきました。


私は、「心臓の拡張機能が低い心不全におけるポリファーマシーと心不全の予後、心肺機能との関連性」について発表を行いました。高齢者ではポリファーマシー(多種類の医薬品が処方されていること)が問題となることがあり、医療者の中でも大変関心が高い内容です。

研究の蓄積を経て、治療のためのガイドラインも更新されていきます。今回の学会中に、心不全診療ガイドラインも改訂されました。日々の臨床現場を推進していくとともに、研究も引き続き尽力していきたいと思います。

心不全患者さんが増えていく昨今、循環器疾患の診療・治療は極めて重要です。私も心不全療養支援に役立てたいと思い、先日、心不全療養指導士の試験を受験し、資格を取得しました。

さっそく心不全療養指導士として、心不全療養指導士Caféに参加してきました。

北海道から沖縄まで、各施設の医療スタッフが集まり、それぞれの取り組みや課題などを共有しました。地域の特性に応じたものもある一方で、地域は離れていても同じような課題に取り組んでいることが分かり、とても有意義な、素敵な集まりでした。

学会を受けて、群馬県内で心不全診療に携わる多職種メディカルスタッフがZoomで自由な意見交換を行う「雑談会」を4月3日に開催しました。そこでは県内医療機関の医師・看護師・リハビリスタッフ・薬剤師など多様な職種が集まり、普段の業務で抱える悩みや疑問、アイデアについて活発に話し合う時間となりました。


今回の雑談会では、立場や制度の垣根を越えて、「現場で本当に知りたいこと、語りたいこと」を気軽に共有できる場となりました。制度や診療技術に関する話題だけでなく、「チームづくり」「教育」「地域連携」といった日々の診療を支える“人と人との関係”に注目が集まったのが印象的でした。

今後もこのような会を継続的に開催し、心不全診療・ケアに関わる全てのメディカルスタッフが、よりよい連携とケアを提供できるよう、ネットワークづくりを目指していきます。「ぐんまのうしん」におけるこれからの活動にもどうぞご期待ください!