世界脳卒中デー 新聞記事ご紹介
群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター
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世界脳卒中デー 新聞記事ご紹介
毎年10月29日は「世界脳卒中デー」です。近年、脳卒中の予防と治療は大きく進歩しています。脳卒中にならない「なってもはね返す」ために、脳卒中予防や治療の〝今〟をお伝えします(令和6年10月29日上毛新聞掲載記事です)。
ぐんま のうしん 用語集
用語 | 解説 |
脳卒中 | 脳の血管が詰まったり破れたりすることで血流が途絶え、脳の組織が損傷する病気です。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称です。また、一過性脳虚血発作も脳卒中の一歩手前ですから直ちに診断して治療をすることが大事です。 |
脳梗塞 | 脳の血管が詰まり、血流が止まって脳細胞がダメージを受ける状態。脳卒中の一つで、特に高血圧や動脈硬化が主な原因とされています。 |
脳塞栓症 | 脳の血管が血栓(血の塊)で詰まり、血流が止まってしまう病気。心臓など別の部位でできた血栓が脳の血管に運ばれて起こります。特に心房細動が原因のことが多いです。 |
一過性脳虚血発作 | 一時的に脳の血流が悪くなり、片方の手足が動かしづらくなったり、言葉が出にくくなる症状。数分で回復しても、脳梗塞の前兆であることが多いため注意が必要です。 |
心不全 | 心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、寿命を縮める病気です。これは、日本循環器学会/日本心不全学会により定義されました。多くの心不全は、心臓が悪く前に進みにくいため、血液の流れとして上流にある肺が「水びたし」(肺うっ血といいます)となり、呼吸が苦しくなります。肺よりも手前にある静脈にも水がたまるため、「むくみ」としてあらわれる場合もあります。心不全の原因として、心筋梗塞、心筋症、不整脈などがあります。心不全の原因によっても治療が異なってきますので、かかりつけの先生とよくご相談ください。 |
不整脈 | 心臓のリズムが不規則になる状態です。不整脈といっても、全く心配のないものと、きわめて早期に治療が必要なもの(心室細動や心室粗動など)があります。加齢とともによく見られる心房細動は脳卒中(中でも心原性脳塞栓症)の原因となりやすい不整脈です。左心房というところに血栓ができやすくなり、また心不全にいたることもあるので、精密検査と治療が推奨されます。不整脈をみつけるためには、皆さんご自身で検脈をやっていただくことが大変有用です。本ホームページ「疾病について」にも説明がありますので、是非読んでみてください。 |
高血圧 | 血圧が高い状態が続くこと。血管に負担がかかり、動脈硬化が進みます。動脈硬化は「血管がさび付いた状態」ともいわれており、血管が狭くなって脳卒中や、狭心症・心筋梗塞(虚血性心疾患)や心不全のような心臓病の原因となります。また、血管に圧力がかかるため、血管が切れることや破れやすくなります。そのため脳出血、くも膜下出血、解離性大動脈りゅうなど、重症の病気を引き起こすことがあります。 |
カテーテル治療 | 細い管(カテーテル)を血管内に通して行う治療です。脳梗塞では、脳の血管に詰まっている血栓を取り除きます。脳卒中の発症後でも、適切な時間内であれば大変有効で、麻痺など脳梗塞に伴う症状改善に劇的に効果がみられることがあります。病気になってから一刻を争って治療が必要なのはそのためです。また、一過性脳虚血発作では動脈硬化が進行したところにステントを入れたりして、血管を広げる治療を行ったりします。狭心症・心筋梗塞は、心臓の筋肉を栄養する冠動脈が細くなったり詰まったりしています。カテーテル治療として、風船を広げ、ステントを留置して血管を広げることなどを行います。脳梗塞と同様、急性心筋梗塞も発症から早いほどカテーテル治療の効果が得られます。心筋梗塞を疑う症状(左胸が急に痛くなった等の症状)があれば、救急車をすぐに呼んでください。不整脈に対する電気的焼灼術(アブレーション)もカテーテル治療のひとつです。アブレーションにより、不整脈が根治することもあります。 |