12月15日イオンモール高崎で、令和6年度群馬県禁煙支援県民公開講座を開催しました!

開催報告

石井
|センター長|

12月15日イオンモール高崎で、令和6年度群馬県禁煙支援県民公開講座が開催されました。

 12月15日イオンモール高崎で、令和6年度群馬県禁煙支援県民公開講座が群馬県禁煙支援県民公開講座実行委員会並びに群馬県の主催で開催されました。

 最初に、群馬県歯科医師会常務理事 佐野公永先生から「たばことお口の健康」という御講演があり、たばこと歯周病の関係、80歳で20本自分の歯を残そうという「8020」運動でも、禁煙がいかに重要であるのかということを日本歯科医師会のYou tube動画も供覧しながらご解説いただきました。

 2番手として、群馬県薬剤師会副会長 原文子先生から「Let’s 禁煙」というタイトルでお話がありました。禁煙を行う際には、周囲の人にもしっかりと宣言すること、また禁煙外来の活用についてお話がありました。禁煙外来は、月7000円であり、たばこを吸っている方に禁煙をチャレンジする際に大きな味方になることを学びました。

 3番手として、群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター長石井秀樹より「たばこは万病のもとー禁煙で血管病予防の効果はとっても大きいです!ー」というお題で、講演させていただく機会をいただきました。以下、講演の要旨となります。

「たばこは万病のもとー禁煙で血管病予防の効果はとっても大きいです!ー」

 2000年にイギリスの著名な医学雑誌BMJに、たばこ1本で命が11分短縮される」「喫煙者は非喫煙者よりも寿命が6.5年短い」 という衝撃的な数字が発表されました。家計に与える影響を見た際には、たばこひと箱を1日に消費すると、年間20万円程度の支出になると試算されます。10年で200万円と、車も買えるような多額のお金を消費することになります。

 何よりも、たばこによって様々な疾患を発症しやすくなります。たばこの煙には4,000種類以上の化学物質と250種類以上の毒物/発がん性物質が含まれといわれています。特にニコチン、タール、一酸化炭素といったものは健康有害性があり、脳卒中や心臓病を引き起こします。

 2022年国民健康・栄養調査では、たばこを習慣的に吸っている20歳以上の14.8%でした(男性24.8%、女性6.2%)。喫煙率はピークであった昭和41年が男性 83.7%、女性18.0%であり、それと比較すると、かなり減っています。しかしながら、女性について煙率はこの10年程が横ばいの状態となっています。

 喫煙者では非喫煙者に比べて心臓の筋肉を栄養する冠動脈に関する病気のリスクが、男性で3倍弱、女性で3倍強に有意に高まります。死にも直結する心筋梗塞のリスク大変高くなります。

 受動喫煙についても、抑制することが大事です。欧米では、受動喫煙防止条例(スモーキング・バン)が実施されています。その条例が施行され、心臓病や脳卒中が減少していることが報告されています。

 たばこを吸う人は、すわない人と比べて医療費も高くなる報告が出ています。日本の人口が減少し、医学部の定員を増やしているところで、医師不足も解消されるということが言われています。しかしながら、2036年の想定では、首都圏を除く東日本の多くの県では医師不足が懸念されています。良いシナリオと悪いシナリオが考えられていますが、参考のため図にワーストシナリオと考えられるものを載せました。そこに2022年の喫煙率を一緒に並べてみると大変興味深いことに気づきます。(ワーストシナリオで)医師不足が高い率と考えられるところは、喫煙率が大変高くなっています。たばこで健康を害しても、医師に診てもらえないかもしれないということです。国には、医師の偏在などもテコ入れしてもらうことも大事ですが、自身の健康管理、特に禁煙は必ずやらないといけません。

医療者も、たばこの健康被害、禁煙の意義を啓発することを今まで以上に積極的に行うことが求められていると思いました。


 たばこを吸って見える方は、これを機会に是非禁煙にチャレンジしてください。禁煙外来をご希望の方は、インターネットで「群馬県禁煙外来」と検索いただければ、保険が適用されるお近くの医療機関を探すことが可能です。

 日本循環器学会では、禁煙啓発のキャラクターすわん君が活躍しています。2の数字が白鳥(スワン)に似ていることから、「スワンスワン(吸わん吸わん)で禁煙を!」をスローガンに、毎月22日を「禁煙の日」としています。

日本循環器学会禁煙啓発キャラクターすわん君
ぐんまちゃんとすわん君、誕生日はどちらも2月22日!!
ぐんま のうしん君

12月15日イオンモール高崎で、令和6年度群馬県禁煙支援県民公開講座、ぼくにとってもとても勉強になりました!専門の先生たちのお話、ためになることばかりで「なるほど!」が止まらなかったんだ。受動喫煙や健康の課題って、意識してみると考えさせられることがいっぱいだね。たばこと健康・禁煙のお話を聞きに来たはずが、それだけじゃなく、もっと広い学びがあったんだ。たばこだけでなく、みんなも健康にちょっと気をつけるだけで、生活がもっと良くなるかもしれないよね。
普段はなんとなく感じてたモヤモヤした不安が、データを通じてハッキリ形になって「これだ!」って目が覚めるような気持ちになったよ!

ぼくからの一言!
「禁煙って、たばこを吸わないだけじゃなく、未来の自分や家族へのプレゼントだよ!」

次回もみんなに会えるのを楽しみにしてるね。それまで、おいしいごはんと適度な運動、忘れずにね!
禁煙と健康意識アップ、いっしょにがんばりましょう!