【開催報告】「今すぐ始める循環器病対策@道の駅まえばし赤城」(2025年11月30日開催)

お知らせ

昨年2024年11月には県庁で行った「ぐんまのうしん」の県民公開講座ですが、今年は11月30日に、道の駅まえばし赤城で「今すぐ始める循環器病対策」として開催されました。僕も参加してお話を聞いてきました。

本年は、3部構成で

第一部

・寒くなる季節と脳卒中(群馬大学医学部脳外科 藍原 正憲准教授)

・減塩を心がけた食事療法(群馬大学医学部附属病院 下谷 幸管理栄養士)

 藍原先生からは、脳卒中といわれる脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などは、血圧変動も大きな冬場に起こりやすいと伺いました。ヒートショックの話題はのうしんURLにも載っていますが、普段から風呂に入るときなどにも気を付けないといけないことがよくわかりました。そして、藍原先生からは先日「病院ゆるキャラ総選挙2025」で3位になったことも含めて、たくさん僕のことをお話ししてもらいました。こそばゆい感じでした(笑)

 下谷先生は、普段の食事で血管や心臓の病気を減らすためにとても大事な減塩を含めた注意点をお話ししてくれました。更に調理室で減塩みそ汁を作ってくれて、出汁など気を付けることで減塩してもおいしいみそ汁を楽しむことができることを教えてくれました。下谷先生は心不全療養指導士の資格も持っていて、心不全と栄養の関連についてたくさん英語の論文も書いているらしい・・・すごいね!

第二部

・自転車をこいで心不全を早期発見!(群馬大学医学部循環器内科 小保方 優講師)

・お口から元気!⾧生き!(群馬大学医学部附属病院歯科口腔・顎顔面外科 浅見 拓哉助教)

 小保方先生からは、心不全パンデミックのお話と、増加している心不全の中でも特に心臓の動きが良いにも関わらず息切れを起こすようなカチカチ心不全(左室駆出力の保たれた心不全)について、教えてもらいました。そして、群大などで行っている運動をしながら行うエコーと、運動を行う中で行う検査によって心不全が早期に見つかることも学ぶことができました。

 浅見先生からは、世の中でも話題の「歯周病」が脳卒中や心臓病になってしまうこととも深い関係があることを教えてもらいました。なんでも、歯周病菌が血管をさびつかせてしまうらしいです。

 後からセンター長に聞いたら、全国の脳卒中・心臓病等総合支援センターの中でも、群馬大学のように口腔外科・歯科がのうしんの活動に協力してくれている地域は、多くはないんだって。自分の歯がある人は健康で長生きになるということで、ハチゼロ・ニイゼロ(80歳で20本の自分の歯を残そう!)という取り組みがあるのは知っていましたが、歯や口の中を清潔に保つことはとっても大事なんだね。講演会の後に、群大と榛名荘病院の歯科衛生士さんに、歯の磨き方を教えてもらいました!浅見先生お勧めの歯ブラシももらったよ!

第三部

・一緒に血管の病気を考えましょう!(群馬大学医学部循環器内科 石井 秀樹教授)

・あなたの脳・心を守ります~お薬のお話~(群馬大学附属病院 柴崎 由実薬剤師)

石井センター長からは、群馬県では脳卒中や心臓病の死亡者数が悪性新生物(がん)よりも多いことや、日本全体でもこれから血管病が増えることの説明がありました。

急性心筋梗塞や、脳卒中は前触れなく突然起こることが圧倒的に多いんだって。血管が油ギッシュだと、油たっぷりのゴミ(プラーク)が破れて、内出血し、それを覆うためにかさぶた(血栓)ができるんだけど、それが血管をふさぐほど大きくなることが心臓の血管(冠動脈)で起こると心筋梗塞になるとのこと。それを防ぐためには、高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病などの生活習慣病をしっかり管理することが大事だそうです。

 柴﨑先生からは、お薬のお話を聞きました。柴﨑先生は薬剤師でありながら、心不全療養指導士の資格があって、毎日循環器病棟で患者さんに薬の指導をしているとのこと。普段の患者さんにお話ししていることを教えてくれました。例えば、飲み忘れないように袋に日付を書いておくことや、同じ時間に飲む薬は一つの袋にまとめてもらう(一包化)などの工夫があって、薬剤師の先生に気軽に相談してくれれば対応してくれるそうです。遠慮しないで相談すればいいんだね!また、薬手帳の活用方法も説明してくれました。薬を出す方も、飲み合わせのことや複数の医療機関にかかっている方に同じような薬を出さないように配慮する必要があるので、病院・クリニック・薬局には必ず持っていくようにしてほしいとのことです。世の中デジタル化が進みました。薬手帳なくても、マイナンバーカードがある人はマイナカードで処方されている薬が確認できるんだって。

講演が終わった後には、看護師さんに血圧を測ってもらい、不整脈がないかどうかも心電図でみてもらいました。結果、僕は今のところ正常で一安心!

 「ぐんまのうしんの総力を結集して行います!」とホームページに書いてあったけど、いろいろな分野から脳卒中・心臓病にならないような工夫について、たくさん勉強をすることができました。また普段の生活に生かしていきたいし、お父さん・お母さん、そしておじいちゃんとおばあちゃんにも伝えよう!

以上、のうしん君のレポートでした。

 「今すぐ始める循環器病対策@道の駅まえばし赤城」には、群馬県庁、特に健康福祉部 医務課の方には準備段階より多大なご協力をいただきました。また会場の準備設営・運営などテルモ株式会社さん、そして血圧計・心電図などについて、オムロン ヘルスケアさんからご高配いただきました。減塩食品のひとつとして、減塩漬物や福神漬けの試食・配布が株式会社新進さんのご協力・ご厚意により実現いたしました。またご参加いただきました皆様におかれましても日曜日に足をわざわざ運んでくださり感謝申し上げます。引き続きぐんまのうしんに対して温かい目を向けていただければと思います。

ぐんまのうしんセンター長 石井秀樹