群馬大学医学部5年生が執筆した症例報告が、米国心臓病学会(ACC)の機関誌に採択!
群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター
コラム 心臓病あれこれ
群馬大学医学部5年生が執筆した症例報告が、米国心臓病学会(ACC)の機関誌に採択!
2025年12月21日、東京ステーションコンファレンスにて「第278回日本循環器学会 関東甲信越地方会」が開催され、群馬大学循環器内科からも活発な討論に参加いたしました。本学会では、循環器領域における優秀な臨床研究の発表に対し「Clinical Research Award session」での発表の機会が与えられます。今回、シニアレジデントの箱田祥子先生が「運動負荷心エコー図検査での負荷強度が左室駆出率の保たれた心不全の診断や予後予測に与える影響」という演題で、見事Finalistに選出されました。
群馬大学医学部附属病院では「息切れ外来」を開設し、地域の多くの息切れ患者の診療にあたっています。安静時の評価だけでは診断が困難な「息切れ」症例に対しては、運動負荷心エコー図検査が非常に有効であり、心不全診療ガイドラインでも推奨されています。しかし、全ての患者さんが十分な運動できるわけではありません。本研究では、この「運動強度」の違いが診断やその後の経過にどのような影響を与えるかを詳細に検討しました。なお、運動負荷心エコーは国内でも群馬大学が先導している分野であり、本センターの小保方優先生のチームから多大なるご指導をいただきました。
箱田先生は、心不全・不整脈・虚血といった各チームでの多忙な研修の傍ら、本研究に対して並々ならぬ熱意を持って取り組んできました。何度もスライドの修正を重ね、本番では非常に完成度の高い、素晴らしい発表を披露してくれました。
箱田先生の挑戦はこれに止まらず、来年3月に福岡で開催される「日本循環器学会学術集会(JCS)」においても、英語での口述発表(Oral Presentation)に採択されています。今回の知見をさらに発展させ、世界へ向けて発信していく予定です。
当センターは今後も、若い先生や学生の皆さんが臨床研究に挑戦できる環境を整え、次世代の循環器診療を担う人材を育成してまいります。 群大医学部生が快挙を成し遂げてくれました。
米国心臓病学会(American College of Cardiology: ACC)の機関誌であるJACC: Case Reportsに、本学5年生勝井悠里さんが、first authorで執筆した症例報告を投稿しておりましたが、現地時間の3月18日付で採択されたという報告が届きました。
症例は、2025年9月13日第277回関東甲信越地方会において、Case awardで優秀賞を受賞したものです。
米国心臓病学会機関誌は、採択率が非常に低く、ちょっとやそっとでは通してもらえませんから、掲載されることは非常にインパクトがあることです。小板橋紀通先生らの指導もありましたが、実習などで多用なところ論文作成も自分自身の力を大いに使って頑張った勝井さんの努力が実った結果です。ぐんまのうしんメンバー・群馬大学循環器内科メンバーも大変うれしく思っております。
勝井さんが益々ご活躍なさいますことを祈念しております。

この度、初めて作成した論文が米国の医学誌であるJACC: Case Reportsに採択され、とても光栄であると同時に、本当に嬉しく思っています。
本症例に関わるきっかけは、臨床実習で循環器内科を回った際に、先生方が日々真摯に患者さんと向き合い、最善の医療を追及されている姿を見て、循環器に興味を持ったことでした。その中で本症例の学会発表のお話を頂き、自分にできることは限られていながらも挑戦してみたいという思いで取り組みを始めました。準備を進める中で、群馬大学では全国的にも珍しい運動負荷心エコーの実績が豊富で、運動耐容能に関わる様々な因子を定量的に評価できることを学び、その奥深さと臨床的意義を強く感じました。
また、心臓サルコイドーシスは症状が多彩で診断が難しい疾患である一方で、この検査がその病態の把握に有用であることも実感しました。こうした先生方の積み重ねてこられた臨床と研究の成果を、形にして世に出したいと思ったことが、論文化に挑戦する大きな原動力となりました。
実際の論文作成は想像以上に大変でしたが、その過程で先生方から多くのご指導を頂き、本当に多くのことを学ぶことができました。この経験は、今後医療者として成長していく上で大きな糧になると感じています。
このような機会を頂き、また多大なご指導によりここまで導いてくださったことに、心より深く感謝しております。
《採択された症例報告の抄録(和訳しております)》
タイトル:運動負荷心エコーにより連続的に評価しえた、早期心臓サルコイドーシスにおける可逆的な変時不全
心臓サルコイドーシスは伝導障害や心不全を引き起こします。房室伝導異常に起因する変時不全は、心臓サルコイドーシスの早期かつ可逆的な病態として現れる可能性があります。
患者さんは、労作時呼吸困難を主訴に受診しました。安静時の左室収縮能は保たれていましたが、心肺運動負荷試験と運動負荷心エコーの併用により、2度房室ブロックの出現、著明な運動耐容能低下および心拍出量増加不全が明らかとなりました。FDG-PET検査では心室中隔基部への集積を認め、皮膚生検にてサルコイドーシスと診断しました。副腎皮質ステロイド治療後、房室ブロックは改善し、心拍応答、心拍出量および運動耐容能の改善が得られております。
以上より、可逆的な房室伝導遅延に伴う変時不全は、心臓サルコイドーシスの早期病態として出現し、適切なステロイド治療により改善しうることが示唆されました。
また、連続的な運動負荷心エコーは、ステロイド治療中の変時性および血行動態の回復を定量的に評価でき、心臓サルコイドーシスの早期診断に有用であると考えました。
