お薬を飲むことの重要性と、正しくの飲むための工夫

群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター

薬剤師からのひとこと

石井
|センター長|

新たに、「薬剤師からのひとこと」というシリーズを開始します。
生活習慣の改善とともに、お薬を服用することは患者さんご自身でやっていただかないといけないことです。しっかりお薬を服用する(のむ)コツや、飲みにくい時にはどうするか、またあっては困るのですが災害などが生じた際にも役に立つお薬の情報など、当センターの薬剤師がコラムを書いてくれます。

担当:柴﨑

こんにちは。
薬剤師の柴﨑です。お薬にまつわるコラムを時々書いてみたいと思います。第一回目は、お薬を飲むことの重要性と、正しくの飲むための工夫です。

はじめに、病気の再発、悪化予防のためには、食事や運動など生活習慣の改善とともに、指示通りにお薬を服用することもとても大切です。
お薬は一定の量を一定の時間、体に届けることで効果を発揮します。服薬をきちんと守らないと期待される薬の効果が十分に発揮されず、病気が治るまでの時間がかかりますし、十分な効き目がみられなくなります。担当の先生からの指示を守って正しく服用しましょう。気になることがある場合は、医師や薬剤師に遠慮なくご相談ください。

それでは、お薬の服用を継続するための工夫についてご紹介します。

  • 1. お薬を飲んだら薬袋(お薬をお渡しした時の袋)にチェックや日時を書いておく

    あらかじめお薬のシートに日付を記入しておくのも効果的です。最近ではスマートフォンのアラームで服薬時間を通知してくれるアプリや服薬支援ロボットなども登場しています。複数飲まれていて大変な場合は、飲むタイミング毎に袋に分ける方法(一包化)や、お薬カレンダー(薬を入れることが出来る「ポケット付きのカレンダー」)やお薬ケースにセットしておく方法もあります。お薬カレンダーやお薬ケースは病院内のサービスセンター や、100円均一ショップなどでも売っていることがあります。
  • 2. お薬の形状が飲みにくい場合は、飲みやすい形状にしてもらう。

    同じ効果の薬にも、錠剤、カプセル、散剤、液状などいろいろな種類があることがあります。例えば、カプセルがのみにくければ、粉薬やOD錠(水なしで口の中ですぐに溶ける)、最近ではテープ剤もありますので、それらの形に変更が可能かどうか、担当の先生に確認してみてください。


薬の中には、苦味や酸味などで飲みにくい場合は服薬ゼリー、オブラート、ジュース、アイスクリームなどを用いる方法も有効なことがあります。ただし、それらと混ぜてはいけない薬もありますので、医師や薬剤師に確認ください。なお、お薬の種類によって飲み合わせが悪い場合や、食事に制限があるものもありますのでご相談ください。一例として、血圧を下げる目的で使われる(降圧薬)カルシウム拮抗薬の多くは、グレープフルーツと相性が悪いことが有名です。

群馬大学医学部附属病院 薬剤師(日病薬病院薬学認定薬剤師)
柴﨑 由実