「世界高血圧の日 県民公開講座」を5月25日に行いました。
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「世界高血圧の日 県民公開講座」を5月25日に行いました。

センター長
5月17日は、「世界高血圧デー」です。日本高血圧学会と日本高血圧協会でも5月17日を「高血圧の日」と定めて、5月に様々な活動を行っています。ぐんまのうしん君もレポートしてくれました。
今年は、群馬県において開催することとなり、特定非営利活動法人 日本高血圧協会、公益社団法人 日本脳卒中協会、群馬県、第一三共株式会社(第一部のみ)共催、日本心臓財団、群馬県医師会、ぐんまのうしん後援により「世界高血圧の日 県民公開講座」を5月25日に行いました。上記関係者並びに群馬県庁の多くの方々におかれましては、開催準備ならびに現地でご協力を賜りましてありがとうございました。家庭血圧計の抽選会で協催いただきましたオムロンヘルスケア株式会社にも感謝申し上げます。
以下の3講演がありました。センター長記載の要旨を挙げさせていただきます。
- 群馬大学医学部附属病院 栄養管理室管理栄養士 下谷幸(日本循環器学会心不全療養指導士)より「高血圧と食事について」
要旨:遺伝的な要因や環境の要因もありますが、自身でできることとして最も大事なことは食事での塩分制限です。日本人の平均塩分摂取量は10gを超えていますが、高血圧がある方、脳卒中・心臓病のある方は6g未満が推奨されています。
塩分について、特に麺類は汁も含めての注意が必要で、汁を残すことなど気を付けることが重要です。うどんは麺自体にも塩分も含まれているに対して、蕎麦は麵自体に塩分が入っていないため、減塩の観点からは蕎麦がおススメです。ただ、つけ汁に蕎麦湯を入れて飲んでしまうと塩分摂取量が多くなってしまうので注意してください。またカリウムというミネラルの摂取が塩分を体内から出すことに有効であり、その面から野菜摂取が重要です。
味覚の5感(旨味、甘味、酸味、苦味、塩味)の中で、加齢とともに塩味が衰えやすく、自然と塩分摂取が増えてしまうので、旨味を利用するなどによってみそ汁の塩分を減らすことができます。
講演後第二部で、減塩みそ汁(通常のみそ汁が0.8-1.0%程度とされますが、今回は0.7%で)試飲会を31階キッチンスペースにおいて行いました。
- 群馬大学医学部附属病院 循環器内科学教授 石井秀樹(群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター長)より「高血圧の予防と治療について」
要旨:日本で高血圧とされる方は4300万人と言われており、国民の約3人に1人とされています。高血圧は自覚症状に乏しく、またじわじわと血管を傷つけてさまざまな病気、特に脳卒中や心臓病の原因となることから、サイレントキラーともいわれています。年間10万人が高血圧に起因する脳心血管病で亡くなられています。この面からも高血圧を放置しないことが重要です。
脳出血は特に高血圧が関わっています。戦後東北地方などでは一日の塩分摂取量が20-30gの地域もあり、非常に脳出血が多かったのですが、冷蔵庫の発達もあり塩分の多かった保存食が減り現在は一日平均10g強になっているので、異常な高血圧が減り、脳卒中の中でも脳出血の割合は減少傾向ですが、一方じわじわ血管が狭くなる脳梗塞が増えてきています。よって、もっと塩分を制限する必要があります。2025年5月15日トリセツショーでもとりあげていただいた、ガチガチ心不全は、高血圧で心肥大になることが相当大きな原因になりますので、自身の血圧をしっかりと認識することが大事です。
- 日本脳卒中協会 脳卒中スピーカーズバンク 細川貴司様より「繰り返された脳卒中から血圧を考えるー経験者の発症・再発予防ー」
要旨:細川様は脳梗塞、脳出血、脳梗塞と3回の脳卒中の経験から、血圧管理の重要性をお話しいただきました。脳ドックを受けたのですがその結果を勘違いなさったことから様々なことが生じてきたことを伺いました。
塩分量を制限することは下谷管理栄養士、石井センター長からも話がありましたが、自身で尿から塩分摂取を推定する塩分摂取量簡易測定器を使用して、どんなものに塩分が多いかも調べられたそうです。おせち料理、お寿司なんかが結構塩分が多いことがわかりました。
ご自身を振り返られて
・自分に限っては通用しない
・血圧状況を知り、しっかり管理
・「血圧」+「塩分」+「運動」+「口腔ケア」も!
・お薬は勝手にやめない!
・自分の身体と脳卒中を知って、正しく恐れましょう!
と皆さんにメッセージをいただき、「脳卒中は日常習慣により引き起こされる、つまり予防できる病気です。そのためにまず知ることです」とまとめていただきました。
血圧は自分自身でモニターできますので、脳卒中の大きな要因である高血圧をしっかり管理することが大事であるということを、細川様のお話を聞いて再認識した次第です。
講演後、群馬県立心臓血管センター小板橋先生、星野先生にもご参加いただき、血圧に対して県民の皆様からご質問をお受けする「よろず相談会」も行いました。
ぐんまのうしん君ポスターでもおなじみ、「元気県ぐんま 家庭血圧チャレンジ」を現在行っています。今回の講座を通じて更に県民の皆さんに血圧管理の重要性と、高血圧症と診断された場合にはしっかり治療していただくことを理解していただけば幸いです。
「世界高血圧の日 県民公開講座」
5月17日は、「世界高血圧デー」です。日本でも、日本高血圧学会と日本高血圧協会が同日の5月17日を「高血圧の日」と定めています。
日本で高血圧とされる方は4300万人と言われており、国民の約3人に1人とされています。高血圧は自覚症状に乏しく、またじわじわと血管を傷つけてさまざまな病気の原因となることから、サイレントキラーともいわれています。ぐんまのうしんでは、「元気県ぐんま 家庭血圧チャレンジ」を行っていますが、今回の講座を通じて更に県民の皆さんに高血圧にならないように、そして高血圧症と診断された場合にはしっかり治療していただくことの重要性について、更にご理解いただきたいと思っております。この機会に、「元気県ぐんま 家庭血圧チャレンジ」に関する動画をご覧いただければと思います。
